2022年10月8日、日本天文考古学会の第2回研究発表会及び第4回総会が大阪公立大文化交流センターで開催されました。
学会員11名、一般7名の参加で行われましたました。三連休のさなかにも関わらず、お集まりいただきありがとうございました。
また、ZOOM視聴者の方には、スクリーンの映りが悪くて申し訳ありませんでした。
天文学を用いて、遺跡を研究する学問は、世界的には存在していますが、なぜか日本には存在していなかったため、2019年に日本天文考古学会が創立されました。
今回は、2007年に天文文化研究会を開催されている大阪工業大学の松浦清教授をお迎えし、「天文と文化遺産を結ぶ文理融合研究へ」という基調講演を行っていただきました。
天文文化研究会は、我々よりも広い分野を対象としておられますが、天文考古学と類似するテーマも扱っておられますので、今後、協力できればと考えております。
研究発表会では4名の学会員による発表が行われました。
1. 三内丸山遺跡大型掘立柱建物についての一考察 柳原輝明
2. キトラ天文図と記紀神話に秘められた三統説 桜田和之
3. 大湯環状列石の岩石配置図に関する検証 平津豊
4. 金生遺跡における 太陽暦観測の検証 岩波八尋
研究発表会という形は理系の学会で採用されている方法で、仮説をたてて、実験によって得た結果とその考察を発表します。天文考古学の場合、この実験が、現地での観察測定やシュミレーションになります。研究発表会の目的は、質疑応答による意見交換によって、研究者が自分の研究の問題点や方向性を確かめるところにあります。
このように、目的が講演会とは異なりますので、一般の参加者の中には戸惑われた方もおられるかもしれません。
活発な指摘や意見交換が行われ、有意義な研究発表になりました。
また、活動報告として、篠澤邦彦氏から「天文考古学を活用した地域活性化への取り組み」と題して、白石の鼻巨石群を観光地にした経緯が報告されました。
記録 事務局
10月9日、前日に大阪で開催された日本天文考古学会の研究発表会に参加された方の中から12名で、明日香村をサイクリングで巡りました。
秋の明日香村を自転車で周るのはとても気持ちが良かったのですが、昼からは雨となってしまいました。
キトラ古墳や亀形石造物や飛鳥寺では桜田和之氏から説明、勧請縄やマラ石や弥勒石では平津豊氏の説明がありました。
また、石舞台では篠澤邦彦氏から天文台説が披露されました。その他に酒船石や亀石でも遺跡を前にして学会員による議論が行われ、大変有意義な見学会となりました。
現地ガイドの人達が私達の説明や議論に真剣に聞き入っておられたのが印象的でした。
記録 事務局